先行研究のレビューをする上で,重要なポイントは,どれだけ具体的なリサーチクエッションが上げられるかだと思います.例えば・・・
- ○○の社会的意義は何か?
- ○○はどの範囲に対して社会的訴求力を持つか?
- ○○と類似する研究はどのような領域で行われているのか?またそれぞれの共通点・相違点はどんなところにあるのか?
- ○○と類似する研究ではどのような方法や技術が使われているのか?
- ○○はどのような領域に展開可能か?
上記のような問いの他にも独自のテーマに対して個別具体的な問いが出てくると思うので,まずはそれらを列挙してみてください.できるだけ具体的にあげていくことを心掛けましょう.
5W1H(WHAT? WHEN? WHERE? WHO? WHY? HOW?)6W2H(5W1H + HOW MUCH? WHOM?)を網羅的になぞって問いを立てるといいと思います.
AIツールの活用
研究計画の構成を考える際には,ChatGTPなどの生成AIツールの力をかりてもいいと思います.考え得るリサーチクエッションをリストアップしてもらったり.その他AIツールもかなり優秀なものがあり,例えばConsensus AI(https://consensus.app/ )というAIサービスは無料で使えます.リサーチクエッションを入れるとそれに関連する論文を列挙してくれて簡単なレビューもしてくれます.同様のサービスでSciSpace(https://scispace.com/) というのもあって,日本語での問いかけや検索もできます.そのほかにもConnected Papes(https://www.connectedpapers.com/)は,自分で選択した論文を起点に関連する論文をネットワーク図にして出力してくれて,視覚的にそれらの関連性の強さが分かり,次に読むべき論文を選択しやすくなります.
いまはこのようなツールが豊富にあるので,効果的に活用することで有意義な論文講究ができると思います.
論文の整理ツールを使おう
たくさん論文を読み始めると,それらの管理が煩雑になり再度必要になったときに検索性が低く見つけられなかったり,いざ卒業研究や修士研究としてまとめようと思ったときに参考文献リストの作成が難しくなったりします.そこで,以下のようなツールを活用すると,それらがほとんどストレスなしにできるようになるので,構築しておくことをオススメします.情報整理・構造化の練習にもなるので,.社会人基礎力の向上にも繋がります.
- Zotero(現在version 6)https://www.zotero.org/
- 独立したアプリをPCにインストールする
- Zotero Connector
- Google Chromeの拡張機能でブラウザに表示されている論文データを1クリックでデータベースに保管できる
- notero https://github.com/dvanoni/notero
- Zoteroにインストールするプラグイン(1)
- メモアプリのnotionのデータベースとZoteroのデータベースを同期して,Zoteroデータベース上の論文基本情報と論文を読んでいるときに書いたメモをnotionデータベースにまとめていける
- Zotero pdf translate https://github.com/windingwind/zotero-pdf-translate
- Zoteroにインストールするプラグイン(2)
- Zotero上で読む論文PDF上の必要箇所を翻訳してメモとして保存してくれる.翻訳にはDeepLAPIを使用することもできる
- ブラウザはGoogle ChromeまたはBraveを使用(Zotero Connectorを使用するためにChromium派生のブラウザを使用)
- notion https://www.notion.so/
- 言わずもなが知られているメモアプリ
- DeepL Translate API https://www.deepl.com/en/pro-api
- DeepL開発者環境(DeepL翻訳を使用するためのアカウントとは別に新規アカウントを作る必要がある)